JSBB全国優勝チーム、都県優勝チーム、歴代ジャパンカップ全国優勝チームも多数参戦し、史上最高の顔ぶれと称された第10回記念大会。終わってみれば、参加チーム間でも「優勝候補筆頭」と目されたY.Sクラブ、東京バンバータの2チームが灼熱の頂点に立った。
日曜大会を優勝したY.Sクラブは、初戦から落ち着いた試合運びを展開し、決勝戦では2年連続となるコールド勝ちを収めヤンキース以来となる夏連覇達成。土曜大会では、無冠の大器;東京バンバータが接戦時の爆発力と粘りで、悲願の初優勝を飾った。2チームはそれぞれ、シリーズ代表チームとしてジャパンカップ2010進出を決めた。Y.Sクラブにとっては、大会2連覇をかけた3度目の出場。東京バンバータにとっては、初出場となる。また、今大会は全力ルパン、EAST
WEST、BUZZ、ベアーズといった注目の初出場チームの活躍も目立ち、記念大会に相応しい真剣勝負が連発した。さらに、美少年をはじめ、BUZZ、KSFらのベンチワーク、マナーも、光るものがあった。ジャパンカップでは、SS優勝チームがエアロックカップ覇者と並んで、もっとも活躍していることもそうだが、Y.Sクラブ、東京バンバータの2チームは、上でも本命印が並ぶであろう逸材だ。
◇SS2010(東日本)第10回記念大会[日曜] 優勝 Y.Sクラブ(神奈川)
昨年のJSBB高松宮賜杯1部全国優勝チームで、今大会ならびにジャパンカップ'09全国覇者のY.Sクラブ。優勝候補として、各チームのマークを浴びながらも、2連覇を達成した。決勝戦では昨年に続き「どの試合も気が抜ける場面がなかった」由良監督が振り返る通り、歴史的猛暑に沸いた2010年大会はとりわけ過酷なシリーズであった。
決勝戦を迎えるまでの戦いでピックアップしたいのは、8/8(日)におこなわれたBarockとの準決勝であろう。エース片岡投手が打ち込まれ、万事休すかと思われたがここからディフェンディング王者が本領発揮。ナインに宥められながら"悪いなりの全力"が全壊した。執念の力投で土俵際を踏ん張ると、ナインがこれに応え、大逆転勝ちを収めた。ゲームは、Y.Sクラブ片岡投手、Barock箕輪投手、ジャパンカップ全国優勝経験を誇る投手同士の投げ合いで幕を開けた。ゲームは初回、Y.Sクラブが相手失策から二死二三塁のチャンスを作るが無得点。2回、Barockは安打とけん制悪送球などから無死三一塁のチャンスを作ると野村選手がしぶとくライト線へ運び1点を先制。なおも福田選手のタイムリーで2-0とする。2点を追うY.Sクラブは3回、二死から大久保選手のセンター前ヒット、片岡選手が四球を選び、平井選手が3ラン本塁打を放ち逆転。4回にはヒットで出た宮代選手が盗塁、内野ゴロの間にスチールを決め4-2とする。Barockも野村選手が本塁打を放ち4-3と1点差に詰め寄る。しかしY.Sクラブは平井選手がまたもセンターに運ぶと、一気に本塁へ生還。その後、Barockも坂本投手らに継投するが、大桃選手のタイムリーなどで得点を重ねたY.Sクラブが突き放し9-3で勝利。片岡投手、完投。
そしてだ。8/22(日)上柚木球場で迎えた決勝戦。BUZZとの一戦。BUZZは初出場ながら、初戦からサヨナラ勝ちを含みドラマチックな試合を連発し、今大会をもっとも沸かせたチームのひとつ。野球を愛する気持ちを忘れない素晴らしいチームであった。そんなBUZZとの決勝戦は派手な戦いこそ予想されたが思わぬ大差勝ちとなった。ゲームは、Y.Sクラブ先発の大井投手の力投がナインのハートに火をつけた。立ち上がり先攻のYSは四球と盗塁でチャンスが出来たが後が続かず残塁に終わる。BUZZはワンナウト後に2番打者が右中間に3塁打を放つ。その後ツーアウト、1、3塁で5番がセンター前に落とし先制点を奪う。しかしYSクラブが3回に怒涛の攻撃を見せる。簡単にツーアウトになり、2番、大久保選手がセフティーバンドを決め、ツーアウト1塁。3番、片岡選手はライト前に弾き返しツーアウト1、3塁。4番、平井選手がレフト前に落とし2点が入り逆転。なおも小野寺選手のタイムリー、加賀谷選手が死球、高橋選手四球、大桃選手は、押しだし死球。伊与田四球、などで大量の9点をあげ試合を決める。5回にも加賀谷選手のヒットを皮切りに3点を追加し、5回コールドの12-1で勝利。YSクラブが見事SS大会を連覇した。
今大会においても貴重な場面で打ちまくった加賀谷選手が文句なしのMVPに輝いた(加賀谷いた)。
さすがは、ディフェンディング王者。Y.Sクラブの安定感は健在だ。今季もここまで13勝1敗と昨年とほぼ同ペース。5月末から無敗で調子を上げている。先制後に一気に畳み掛けるように、爆発力を増してしまった面もあって、昨シーズンに比べ、接戦勝ちさほど経験していない点が気がかりだが、経験値でカバーし得る範囲か。
Y.Sクラブは、初出場から7年連続で年間2つ以内の敗戦にとどまっている。連敗もしない。何故ここまで長きにわたって成長を続けるのか。とにかく、前田GMの運営能力の高さと、由良監督の現場でのリードが冴える。由良監督のミーティングは短い。試合前後もインイグ間も、的確なコメントを発して、場をしめる。「気合い」「根性」といった言葉は発しない。そしてもうひとついえることは、Y.Sクラブには誰ひとりとしてゲーム中、および練習中、ぼーっと突っ立ている者がいない。今大会MVPに輝いた加賀谷選手も控え選手として長年チームを支えてきたひとり。できることを一生懸命おこなっていれば、チャンスは必ずめぐってくるし、やってきた奴はそれに応えることができるのだ。由良監督がよく口にしているコトバだ。
2年連続3度目のジャパンカップ出場に、「(2連覇はもちろんですが、)まずは神宮球場(全国BEST4)進出を目標に、そこからまた改めて2連覇へ向けて士気を高めていきたいですね。」と由良監督。ジャパンカップ開幕まで約3か月。得意の「秋冬」へ向けて、チームを最高の状態へもっていく。
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◇SS2010(東日本)第10回記念大会[土曜] 優勝 東京バンバータ(東京)
2010年の超注目チームに大抜擢された東京バンバータが初優勝を飾った。その実力はすでに認知され、いまや各ステージで本命印を打たれる強豪とあり、参戦2年目でのストロングリーグ初タイトルは「ようやく」といったところか。
がしかし、その道のりは、決して平たんなものではなかった。
「ストロングはどうも勝てない。どうしてですかね?」大会期間中、口癖のように語ってくれた熊本監督。それもそのはずだ。今春、サンスポ野球大会で東日本優勝を飾るなどこれ以上ない活躍をみせ並みの強豪馬でないことを証明し
つつも、ストロングリーグにおいては初出場の昨年から各大会で優勝候補の一角として注目されながら、ここ一番で敗退。今シリーズと同時期に並行して開催されたストロングカップ09(秋)特別部においても、盤石の野球で決勝トーナメント進出を決めると、準決勝進出。しかしだ、そこでまたしても躓き、ファイナルの舞台に駒を進めることはできなかった。そんな嫌な空気を吹き飛ばしたのは、SS特有の猛暑と交通渋滞だった。日本列島は、今夏、歴史的猛暑に見舞われ開催地:東京都八王子市も連日、気温35度オーバーの極暑が続いた。そうした中でのダブルヘッダー
ともなれば、それはもう出場各チームはヘロヘロ。さらにサマー恒例の交通渋滞に巻き込まれ、プレイボールに間に合うか間に合わないかの瀬戸際。出場各チーム幹部の額に冷や汗も光った
のはいうまでもない。そうした状況下で、試合開始ギリギリに駆けつける選手を含めまとめあげ、緊急采配をふるい続けたのが東京バンバータだった。それも決勝戦までのすべて
において。
負けたら悔い残りまくりのスターティングを連発しながら、"結果"を出した。最後は"キモチ"だった。バンバータらしい明るいチームカラーで押し切ってしまったのだ。優勝までの道のりで、ピックアップすべくは、8/7(土)におこなわれたJSBB千葉県大会優勝経験を持つ初出場チーム:ベアーズとの1回戦だ。互いに優勝候補であり、"事実上の決勝戦"との呼び声も高かったこのカード。
それもそのはず、いずれもバリバリのノンプロ出身者がひしめくのだから。両軍とも、大渋滞に見舞われ時間ギリギリのリングインとなった。しかしだ、いざゴングが鳴り響くと、両チームは、滝が原という名の有明コロシアムで目の覚めるような真っ向勝負を演じる。ゲームは、東京バンバータ岡本投手、ベアーズ黒坂投手の先発マウンド。ベアーズは初回先頭の林選手のセンター前で出塁するとすかさず盗塁を決め、3番佐藤選手の内野ゴロの間に1点を先制。一方のバンバータは2回にすぐに追いつき、3回、4回にも相手エラーで加点。ベアーズも4回にエラーで1点を返す。その後も両チームスコアリングポディションにランナーを進めるも点を奪えず、バンバータがそのまま逃げ切った。序盤から待ったなしのラリアット合戦。久々に、力と力の名勝負をみた。
そして迎えた8/21(土)決勝戦。2007年のジャパンカップ全国優勝チームのRED HILLと初対決が実現した。なんとバンバータ、この試合でも先発予定投手を中心
に、またしても、激しく交通渋滞に巻き込まれ、多くの主力選手が集合予定時刻に間に合わずのアクシデント発生。相手チームは2時間も前に到着し激しくウォーミングアップを展開している。もちろんバンバータにとっても、時間厳守など、当たり前のことで常に徹底している項目なのだが、どうもこのシリーズはうまくいかない。ナインの大半は「もう八王子嫌だ」そんな気持ちになったかもしれない。プレイボール時刻が迫り、「エイッ」といった感じに揃っているメンツでスターティングオーダーを提出する熊本監督。「黒坂、早く到着してくれ。俺たちが打ちまくっておくから。」攻守じゃんけんに勝って、"先攻"を選んだ熊本監督であった。1回戦に続き、"負けたら悔い残りまくりの一戦"が幕を開けた。もちろん、相手に失礼のない戦いを演じることは大前提だ。
ゲームは、初回から魂全開!1回表、東京バンバータの攻撃、山崎選手、宮森選手の連続四死球で出たランナーをきっちり進め、相手暴投の間に幸先よく1点を先制する。大塚投手が先発マウンドに登る。激しく直球勝負を展開し序盤から連続三振を奪いムードを呼び起こす。バンバータは、2回裏から到着仕立ての黒坂投手がマウンドを託す。ゲームの中で肩を温めしり上がりに球威が増していった。その後も1点を加えたバンバータは4回にも庄司選手のライト前タイムリーで1点を追加した(写真)。一方REDHILLは、2回に満塁のチャンスをつくり、セカンドゴロの間に1点を返すも、その後は2回からロングリリーフした黒坂投手に抑えられ、3-1で東京バンバータが勝利。昨年に続き2度目の出場で、初優勝を飾った。圧倒的な存在感で、シリーズ2勝を挙げ、初優勝に大きく貢献した黒坂投手がMVPに輝いた。
試合後、インタビュアーよりもいい声でインタビューに答えてしまった現役アナの勝田選手、世紀の掟破りもサワヤカであった。大会期間中、コーチャーボックスから誰よりも大きな声を出しゲームを盛り上げた川嶋選手。喉、大丈夫なのか。
「やっと優勝することができました。ジャパンカップに向けてチームを作っていきたいですね。」熊本監督の視線の先は、もうとっくに出場しているはずだったジャパンカップの大舞台。それはもう出る以上は、狙っていく。
とにかく大舞台にめっぽう強い。またまた熱い采配をみせてくれるだろう。
ジャパンカップ2010における熱戦のキーマンについて、「梅田ですね」と熊本監督。甲子園5度出場の経験を持つ、若き梅田選手がバンバータのJC初出場初優勝のカギを握る。とにかくバタバタのサマーではあったが、文句なしの初優勝。なにしろ、東京バンバータは、Y.Sクラブ、Barockほか、特別部の強豪チームらも、今シーズン最も警戒する実力派チーム。上でも主役を担うことは間違いない。
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